家の洗剤、汚れ別にどう使い分ければいいの?
家の棚やシンク下に洗剤が何本も並んでいて、どの汚れにどれを使えばよいか迷う場面はありませんか。キッチンの油汚れやお風呂の水あか、カビなど、場所ごとに洗剤を買い足しているうちに、使い分けの基準が曖昧になりがちです。
あわBASEでは、市販の洗剤64商品を有効成分で分け、汚れ10種類ごとにどれが効くかを決めて図にまとめました。図の全体像は洗剤カオスマップで公開しています。汚れの性質と洗剤の液性の関係を押さえておくと、手元の洗剤を迷わずに使い分けられます。
- 酸性の汚れにはアルカリ性、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を合わせるのが基本
- カビや排水口のぬめりには塩素系が向く
- アルカリ性・塩素系・酸性を1本ずつそろえると10種類の汚れすべてに対応できる
- 塩素系と酸性の洗剤は有毒ガスが出るため絶対に混ぜない
汚れの性質と洗剤の液性の基本
家の中の汚れは「アルカリ性の汚れ」「酸性の汚れ」「物理的な汚れ」「カビや微生物」に分けられ、汚れの種類に合わせて洗剤の液性を選びます。酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を合わせます。
水あかの正体は炭酸カルシウムなどで、酸が溶かします。中性やアルカリ性では溶けません。ただし水栓や洗面ボウル、便器などは、設備のメーカーが酸性や研磨剤入りの洗剤を使わないよう案内していることがあるので、設備の取扱説明書も確かめてください。LIXILはユニットバスの床に酸性洗剤を使わないよう案内しています(浴室用の弱酸性は可)。パナソニックや富士工業は、レンジフードの羽根・フィルターにアルカリ性の洗剤を使わないよう案内しています。
浴室の黒カビには、次亜塩素酸塩がカビを殺して黒い色素を分解する塩素系を使います。表面の軽いカビなら酸素系でも落とせます。ピンク汚れの正体は酵母などの菌で、菌のぬめりを分解するアルカリ性や、菌を殺して落とす塩素系、漂白と泡で菌ごと落とす酸素系が向いています。軽い汚れなら中性や酸性でこすり落とすこともできます。
市販の洗剤を汚れごとに数えると、液性はこう分かれる
あわBASEで市販の洗剤64商品を有効成分で分けたところ、汚れの種類によって使える洗剤の成分に明確な傾向が見られました。
黒カビに使える12商品はすべて塩素系でした。尿石に使える8商品もすべて酸性です。水あかは13商品中12商品が酸性でした。
キッチンの油汚れは22商品中14商品がアルカリ性ですが、中性や酸素系、研磨剤も並びます。手あか・皮脂も、アルカリ性13商品、中性6商品とアルカリ性と中性が中心です。
排水口のぬめりは23商品中16商品が塩素系で最多ですが、酸素系も6商品あります(酸素系の中には、液性の表示が弱酸性のパイプユニッシュ 爆盛り泡パウダーを含みます)。茶渋はアルカリ性が5商品、塩素系と酸素系が3商品ずつ並び、落とし方の選択肢が分かれています。商品の数ではアルカリ性が最多ですが、アルカリ性は軽い茶渋向きで、しっかり落とすには色素を漂白する塩素系や酸素系、こすって削り取る研磨剤が向いています。
汚れ10種類と市販洗剤の液性の内訳
| 汚れ | 使える商品の数 | いちばん多い成分の種類(数) | ほかに並ぶ種類 |
|---|---|---|---|
| 油汚れ | 22 | アルカリ性(14) | 中性(4)、酸素系(3)、研磨剤(1) |
| 手あか・皮脂 | 20 | アルカリ性(13) | 中性(6)、研磨剤(1) |
| 水あか | 13 | 酸性(12) | 研磨剤(1) |
| 石けんかす | 8 | 酸性(6) | アルカリ性(2) |
| 尿石(トイレの黄ばみ) | 8 | 酸性(8) | なし |
| 黒カビ | 12 | 塩素系(12) | なし |
| ピンク汚れ | 25 | 塩素系(11) | 酸素系(4)、アルカリ性(3)、中性(3)、酸性(3)、研磨剤(1) |
| 排水口のぬめり | 23 | 塩素系(16) | 酸素系(6)、アルカリ性(1) |
| 茶渋 | 12 | アルカリ性(5) | 塩素系(3)、酸素系(3)、研磨剤(1) |
| 焦げつき | 13 | アルカリ性(9) | 酸素系(3)、研磨剤(1) |
1本で多くの汚れに使える商品
市販の洗剤64商品の中には、5種類以上の汚れに使える商品が4つありました。家の中の複数の場所で使い回せる利便性がありますが、使えない素材は商品ごとに異なります。素材を傷めないために商品の注意書きを確かめて使います。
クリームクレンザー ジフ(ユニリーバ・ジャパン)
研磨剤と界面活性剤を含み、液性は弱アルカリ性で、油汚れ、水あか、手あか・皮脂、茶渋、焦げつき、ピンク汚れの6種類の汚れに対応しています。研磨作用によって物理的に汚れを落とせる強みがありますが、フッ素加工の製品は強くこするとキズになります。スポンジの硬い面やスチールたわしは使わないでください。便器やくもり止め加工の鏡、ガスコンロなど、設備によってはメーカーがクレンザーを使わないよう案内しているものもあるので、設備の取扱説明書も確かめてください。
酸素系漂白剤(オキシクリーン・過炭酸ナトリウム)
過炭酸ナトリウムを主成分とする酸素系漂白剤は、茶渋、油汚れ、焦げつき、排水口のぬめり、ピンク汚れの5種類の汚れに使えます。溶けると弱アルカリ性になり、油やぬめりを分解し、発泡と漂白の力で汚れを落とします。 グラフィコの「オキシクリーン」は、ウール・シルク、革、畳、大理石、金属全般などには使えず、熱湯は使わない、密閉した容器で混ぜたり放置したりしない(容器が膨張し破裂することがあります)注意があります。シャボン玉石けんの「酸素系漂白剤 750g」は、毛・絹、ステンレス以外の金属製の容器、漆器などには使えません。木村石鹸の「過炭酸ナトリウム |1kg」は、毛・絹、金属製の容器や留具、漆器には使えません。
なお、1本で万能な洗剤はありませんが、アルカリ性・塩素系・酸性を1本ずつそろえると、10種類の汚れすべてに使える洗剤がそろいます(2本ではそろいません)。油汚れや皮脂にはアルカリ性、カビやぬめりには塩素系、水あかや尿石には酸性と、3種類をそろえるのが使い分けの基本です。
塩素系と酸性は混ぜない
洗剤を使い分ける際に注意が必要なのが、塩素系と酸性の組み合わせです。国民生活センターの「住宅用塩素系洗浄剤の使い方-まぜるな危険!」では、塩素系と酸性の製品を一緒に使うと塩素ガスが出ると注意を呼びかけています。塩素系は酸性タイプのほか、エタノールと混ざっても塩素ガスが出ます。有毒な塩素ガスが発生するため、塩素系と酸性の洗剤は絶対に混ぜないでください。
トイレには塩素系(黒ずみ・ピンク汚れ)と酸性(尿石)の両方の洗剤があるので、続けて使わないようにします。塩素系は色を漂白しますが、固まった尿石は溶かせません。また、排水口にも塩素系(パイプ用洗浄剤など)のほか、弱酸性や弱酸性〜中性の商品(パイプユニッシュ 爆盛り泡パウダーやかんたん洗浄丸など)があります。パイプユニッシュ 爆盛り泡パウダーは、塩素系のパイプユニッシュと同じブランドです。
同じ場所(トイレや排水口)に塩素系と酸性の両方の商品があるからこそ、続けて使わないことが大事です。排水口などには前に使った洗剤が残っていることがあるため、酸性洗剤を使った直後に塩素系洗剤を使ったり、2つを同時にかけたりすると混ざる危険が生じます。塩素系は単独で使い、換気し、手袋などの保護具を着けます。使ったあとは十分に水を流し、ほかの洗浄剤を続けて使わないようにします。塩素ガスが出たらすぐにその場を離れ、吸い込んだときは医師に相談してください。排水口に置いておく錠剤のぬめり取り剤(酸性の商品もあります)は、塩素系のパイプ用洗浄剤を使う前に取り除いてください。
洗剤カオスマップで全商品の使える汚れと注意を確認できます
あわBASEの洗剤カオスマップでは、今回集計した64商品の汚れごとに効く理由と、商品ごとの注意を確かめられます。
商品名・写真・ロゴは各社の商標や著作物です。日々の掃除で洗剤を使い分ける際の参考に役立ててください。
参考にした公式情報(4件)
- 国民生活センター 住宅用塩素系洗浄剤の使い方-まぜるな危険!
- 木村石鹸 掃除マイスターへの道〜家の中の汚れと対策〜
- 花王 水アカ
- アース製薬 黒カビやピンクヌメリの落とし方

