仏壇の掃除、どこまで自分でやっていい?
仏壇の掃除は年末の大掃除でまとめてやればいい、というのが一般的な感覚かもしれません。ですが線香とロウソクを日常的に使う仏壇には、ホコリやススが少しずつ積もっていきます。仏壇店の案内でも、本格的な掃除はお正月・お盆・春と秋のお彼岸の前が目安で、ふだんは毛ばたきで払っておく形です。お盆で親戚を迎える前に、ホコリが軽いうちに手を入れておくほうが、結果的にラクです。
- 仏壇は木部・金箔金具・仏具・線香の灰の4部位で素材が違い、手入れの仕方も違う
- 金箔は水拭き厳禁。乾いた毛ばたきでホコリを払うだけにとどめる
- 買い替え・処分は菩提寺への相談(性根抜き)が先。分解洗浄は清掃業者の領域
なぜ年末の大掃除まで待たないほうがいいか
線香の煙とロウソクの煙は、欄間や扉の内側にススとして付いていきます。金箔の部分は布で拭けないので、たまってから一度に落とすことができません。
日常的には乾いた毛ばたきでホコリを払うだけで十分です。お盆や法事の前後は親戚の出入りも増えるタイミングなので、ここで一度軽く手を入れておくと、年末に慌てずに済みます。
仏壇の4つの部位、手入れはこう違う
仏壇とひとくくりに言っても、素材が違う部位が組み合わさっています。
- 木部(本体・扉) 漆や木地がそのまま出ている部分。乾いた柔らかい布で乾拭きする
- 金箔・金具(欄間・装飾) 薄い金の膜を漆で貼り付けた部分。水分に弱く、扱いを間違えると剥がれや変色につながる
- 仏具(花立て・香炉・ロウソク立てなど) 金属製が多く、取り外して個別に手入れできる
- 線香の灰 香炉の中の灰。燃え残りを取り除いて使い続ける
同じ「拭く」でも、木部は乾拭きでよい一方、金箔は乾いた毛ばたきでホコリを払う程度にとどめます。金箔は水分に弱く、拭くと剥がれ落ちることがあり、素手で触ると指の脂で変色するためです。
自分でできるお手入れの範囲
部位ごとに、自分で手を入れてよい範囲をまとめました。
| 自分でお手入れ | お寺・業者に相談 | |
|---|---|---|
| 木部の乾拭き | ○ | - |
| 金箔・金具のホコリ払い(毛ばたき) | ○ | - |
| 金箔の水拭き・洗浄 | × | ○(専門業者) |
| 線香の灰ならし | ○(乾いた状態で) | - |
| 香炉の水洗い(灰を出してから) | ○(水気を拭いて乾かす) | - |
| 仏壇の移動・処分・買い替え | - | ○(お寺へ相談) |
線香立ての灰は、茶こしや灰ふるいでふるって燃え残りを分け、表面を軽くならします。灰が固まってふるえなくなったり、色が変わったりしたら替えどきです。香炉そのものは水洗いしてかまいませんが、金属製は水気を拭き取ってしっかり乾かし、サビを防ぎます。金属たわしや研磨スポンジは傷や色落ちのもとになるので使いません。
仏具の金具は塩分に弱く、手の汗でも傷みます。金メッキや黒い加工の仏具は布で拭くだけにして、真鍮磨きや艶出し液は使わないでください。表面の加工がはがれることがあります。磨き剤を使ってよいのは真ちゅうそのままの仏具(おりんなど)です。
よくある質問
性根抜きが要るとき、お寺に相談すべきとき
仏壇を買い替える・処分するときは、その前に性根抜き(魂抜き)などの法要をします。宗派によって呼び方が違い、閉眼法要とも呼ばれ、浄土真宗では遷座法要・遷仏法要と呼びます。清掃ではないので、清掃業者では代われません。まず菩提寺の住職に相談してください。
日常の手入れを超えたら、業者に相談
分解しないと落とせない内部のスス、金箔の洗浄・補修、長年の汚れで漆が傷んでいる場合は、仏壇専門のクリーニング・修復を扱う業者の領域です。一般のハウスクリーニング業者が仏壇の分解洗浄まで対応できるかは業者によって差があるため、依頼前に対応可否を確認しておくと安心です。和室・仏間ふくめてまとめて相談できる業者もあります。
仏壇店の「お洗濯」は、仏壇を引き取って水洗いし、障子の紗を張り替えるところまで含む修復です。料金の例として、仏壇・墓石の福宝の公式サイトでは、金仏壇の3尺間用が14万円から(税抜)です。
金箔を拭くか拭かないか、仏壇店3社の案内
| 部位 | 浜屋 | 福宝 | まつや | 従う案内 |
|---|---|---|---|---|
| 金箔 | 毛ばたきで静かに払う | 毛ばたきで払い、シリコンクロスやガーゼでやさしく拭く | 毛ばたきで払うだけ。布では拭かない | 毛ばたきだけ。拭くのは仏壇を買った店に聞いてから |
| 漆塗り | 毛ばたきの後にクロスで拭く | 柔らかい布で拭く。水分に弱い | 水拭きせず乾拭き | 乾いた柔らかい布で乾拭き |
| メッキの仏具 | 布で拭く。磨き剤は使わない | (記載なし) | 拭くだけ。磨き剤は使わない | 布で拭くだけ |
| 真ちゅうの仏具 | 金属磨き粉で磨く | みがき油で拭く | 真ちゅう磨き剤で掃除 | 磨いてよい |
| 細かい彫刻・欄間 | 筆タイプの毛ばたき | 習字用の筆 | 柔らかい毛筆 | 筆で払う |
金箔だけ、3社の案内が分かれます。拭いて剥がれた金箔は自分では戻せないので、いちばん慎重な「毛ばたきだけ」に従うのが安全です。どの仏具が真ちゅうでどれがメッキかは見た目で分かりにくいので、分からないものは布で拭くだけにしておきます。
- 仏壇は木部・金箔金具・仏具・線香の灰の4部位で素材が違い、手入れも違う
- 金箔は水拭き厳禁。乾いた毛ばたきでホコリを払うだけにとどめる
- 線香の灰はふるって燃え残りを取る。香炉は水洗いしてよく、金属製は乾かしてサビを防ぐ
- 買い替え・処分の前は性根抜きなどの法要が要るので、菩提寺へ先に相談
- 分解洗浄や金箔の補修は仏壇専門の業者・清掃業者の領域
参考にした公式情報(5件)
- お仏壇の浜屋 お仏壇の掃除とお手入れ
- 仏壇・墓石の福宝 日頃のお手入れ・お洗濯
- まつや仏具店 仏壇のお手入れ
- 本保 [仏具辞典]香炉・香炉灰ってなに? 選び方やお手入れ方法を徹底解説
- 真宗興正派 慧光山 善照寺 浄土真宗の住職が教える仏壇の処分方法
