ゴキブリ1匹発見。この家に、あと何匹?
「ゴキブリを1匹見たら100匹いる」。深夜のキッチンで1匹と目が合った瞬間、この言葉が頭をよぎって眠れなくなる。よくできた言い回しですが、この記事で確かめたアース製薬や横浜市・名古屋市の案内には、「100匹」という数は出てきません。
とはいえ、この通説を笑って終わらせるわけにもいきません。見えない場所に仲間がひそんでいることを疑う理由はあります。まずはそこからです。
「1匹いたら100匹」は本当なのか
100匹という数はともかく、仲間がいる可能性を疑う理由は2つあります。
ひとつは繁殖力です。アース製薬の案内では、クロゴキブリは卵鞘(らんしょう)という卵のケース1個に卵が22〜28個入っていて、一生に15〜20回産みます。家の中で産卵されていれば、見えない場所に数十匹規模の幼虫がいてもおかしくありません。もうひとつは習性で、アース製薬の案内では、ゴキブリは集団で暮らす夜行性の虫で、暗く暖かく狭い場所を好みます。横浜市の案内でも、昼間はすき間にひそみ、夜に動くとされています。
見かけた1匹が外から入ってきただけなのか、家の中にほかにもいるのかは、見ただけでは決められません。手がかりになるのは次のようなことです。
- 小さな幼虫を見た 名古屋市の案内では、ゴキブリにはサナギの期間がなく、成虫と幼虫が同じ場所で暮らします
- 昼間に見た 横浜市の案内では、昼間はすき間にひそみ、夜に動く虫です
横浜市は、粘着シートなどで生息状況を確かめてから駆除すると効果的だとしています。1匹だけだったのかは、数で確かめます。
今夜、目の前の1匹はどうする?
まず目の前の1匹を仕留めます。手元にあればゴキブリ用の殺虫スプレーを使ってください。使う前に、注意を確かめておきます。
- スプレー式は火気に注意(横浜市・名古屋市)。夜のキッチンなら、コンロの火が消えているかを先に見る
- 薬剤を吸い込まないよう、マスクやゴム手袋を使う(横浜市)。使ったあとは十分換気する(名古屋市)
- 食品や食器、おもちゃ、ペットのえさにかけない。かかったときは洗剤で洗うか、洗えないものは捨てる(横浜市・名古屋市)
使い方と量は、製品の表示に従ってください。
処理したら、死骸はティッシュで直接触れずに回収してビニール袋で密封、ゴミ箱へ。アース製薬の案内では、ゴキブリは仲間のフンまで食べる雑食です。死骸やフンを残さないように、出た場所の周辺も拭いておきましょう。
見失った。追いかけるべき?
家具の裏に逃げ込まれたら、深追いは要りません。家具を動かして追い回すより、逃げた先の周辺に毒餌を置くほうに切り替えます。毒餌は、ゴキブリが通りそうな場所やひそんでいそうな場所に置いて食べさせる方法です(横浜市)。
明日からの1週間で何をする?
本命の対策はここからです。やることは2つだけです。
- 毒餌(ベイト剤)を置く アース製薬の案内では、駆除エサ剤を食べたゴキブリのフンや死骸を仲間が食べることで、ほかのゴキブリにも効果が広がります。アース製薬は、台所の隅や流しの下、冷蔵庫、鉢植えのそばなど、物陰で湿ったところに置くよう案内しています。数の目安は、アース製薬のブラックキャップ(12個入)では10m²(約6畳)あたり1〜2個です。ほかの製品は、それぞれの表示に従ってください。置いた毒餌やその周辺には、スプレーなどの薬剤をかけないようにします。子どもやペットがもて遊ばない場所に置きます(アース製薬)。毒餌と薬剤は子どもの手の届かない場所に保管し、誤って口に入らないよう、飲み物の容器や食器に入れて保管しないでください(横浜市・名古屋市)
- すき間をふさぐ 横浜市は、ゴキブリが昼間ひそむ小さなすき間をふさぐよう案内しています
くん煙剤を焚くかどうかは状況次第です。アース製薬の駆除の案内では、卵は卵鞘という硬い殻に守られていて薬剤をはじくとされ、使うなら、卵がかえる2〜3週間後にもう一度使うのがセットです。
くん煙剤を使う前と後には、次のことを守ります(アース製薬・名古屋市)。
- 食品などは冷蔵庫や戸棚にしまい、薬剤がかからないようにする
- ペットや植物は部屋の外に出す。液晶テレビは新聞紙やタオルなどで覆う
- 煙を感知するタイプの火災報知器は反応することがあるので、火災報知器にカバーをかける。使い終わったら、カバーは必ず外す
- 使ったあとは十分換気してから部屋に入る
部屋に入らない時間などの細かい決まりは製品ごとに違うので、使う前に製品の説明を読んでください。
何匹も見かけるようになったら
毒餌を置いてしばらくたつのに姿が減らない、日中も見かける、フンがあちこちにある。この段階まで来ると、見えない場所にひそみ場所ができていることがあり、市販品だけでは追いつかないこともあります。そうなったら、業者に侵入経路を見てもらうことを考えましょう。業者の費用感と選び方はゴキブリ駆除を業者に頼む基準と費用にまとめています。
見つけた1匹から決める、今夜と今週の動き
| 見たもの | 読み取れること | 今夜 | 今週 |
|---|---|---|---|
| 成虫が1匹、夜に | 1匹だけかは、見ただけでは分からない | スプレーで処理し、死骸を密封して捨てる | 粘着シートで数を確かめ、すき間をふさぐ(横浜市) |
| 小さな幼虫 | 成虫と幼虫は同じ場所で暮らす(名古屋市)。家の中で生まれた可能性 | 処理して周りを拭く | 毒餌を通り道とひそみ場所に置く(アース製薬) |
| 昼間に見た | 昼はすき間にひそむ虫(横浜市) | 処理する | 粘着シートで数を確かめ、毒餌を置く(横浜市) |
| フンや卵鞘の殻 | 近くにひそみ場所がある可能性 | 掃除してフンを残さない | 毒餌を置き、その周りにスプレーをかけない。くん煙剤なら火災報知器のカバーを使ったあとに外し、2〜3週間後にもう一度(アース製薬) |
| 毒餌を置いても減らない | 見えない場所にひそみ場所や入り口がある可能性 | ― | 業者に侵入経路を見てもらう |
横浜市は、粘着シートなどを置いて捕まえ、生息状況を確かめてから駆除するよう案内しています。「1匹だけだったのか」は、こうして数で確かめられます。
やりがちな3つの失敗
最後に、1匹見つけたあとに起きやすい失敗を挙げておきます。
- スプレー片手に追い回して見失う 慌てて噴射して物陰に逃げ込まれ、居場所だけ分からなくなるパターン。逃げられたら追わず、毒餌に切り替えます
- 「1匹だけだった」と決めて何もしない 1匹だけかどうかは、見ただけでは分かりません。粘着シートで生息状況を確かめ、すき間をふさぐところまではやっておきましょう(横浜市)
- くん煙剤を1回焚いて終わりにする 卵は硬い殻に守られて薬剤をはじくため、卵からかえった幼虫が残ります。アース製薬は2〜3週間後にもう一度使うよう案内しています
今夜は目の前の処理と拭き掃除まで、週末に毒餌とすき間ふさぎ。ここまでやって姿が減らなければ、業者に見てもらう段階です。
参考にした公式情報(5件)
- アース製薬 ゴキブリを知る(アース害虫駆除なんでも事典)
- アース製薬 ゴキブリの駆除・対策(アース害虫駆除なんでも事典)
- アース製薬 ブラックキャップ(製品情報)
- 横浜市 ゴキブリについて
- 名古屋市 ゴキブリ 台所のオジャマ虫を退治しましょう
