洗ったのに臭う。犯人はどこにいる?
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犯人の名前から言います。生乾き臭の正体はモラクセラ菌という菌が湿った衣類の上で増殖して出すニオイで、対策の柱は、早く乾かすことと、ついた臭いを酸素系漂白剤のつけ置きなどで落とすことです。洗い方や干し方を工夫しても臭いが戻るなら、洗濯槽の汚れも疑います。
部屋干しだから臭う、と思われがちですが、正確には「乾くのが遅いから菌が増える時間を与えてしまう」が正しい説明です。外干しでも乾くまで長引けば臭いますし、部屋干しでも5時間以内に乾けば臭いにくくなります。問題は場所ではなく時間です。
また、「夜に洗ったタオルをかごに重ねておいて、朝いちばんに使った一枚が湿ったまま臭う」「洗剤を変えても柔軟剤を足しても数日で同じ臭いが戻ってくる」という悩みも、根本にある理屈は同じです。洗剤が足りないのではなく、乾くまでの時間と、繊維の奥に残る菌への対処がポイントになります。
臭いが生まれる仕組み
パナソニックの案内では、部屋干し臭の主な原因は、洗濯で落としきれずに衣類に残ったモラクセラ菌です。この菌が増えるときに出すガスが、例の雑巾のようなニオイになります。衣類に水分が残ったまま5時間以上たつと、菌が増えて臭いが出やすくなるとされています。
パナソニックは、残りの2〜3割は、落としきれなかった汗臭や加齢臭などの汚れのニオイだとしています。洗い方と乾かし方の両方を見直す必要があるのは、このためです。
タオルが特に臭いやすい理由|パイルの奥と重ねる保管
タオルは衣類より水を多く含むので、乾くまでに時間がかかります。タオルの表面にはパイルという輪になった糸が並んでいて、その根元には糸を平らに織った部分があります。花王の調べでは、半年ほど使ったタオルの、この平織りの部分の繊維のすき間に菌のかたまり(バイオフィルム)ができていました。この菌のかたまりは、洗濯では簡単に落ちません。見つかった菌には、生乾き臭のする衣類でよく見られるモラクセラ属の菌も含まれていました。
洗濯機から出した直後はほとんど臭わないのに、かごの中で数時間置くと臭いが立ってくる。心当たりがある人は多いと思います。これは洗えていないのではなく、洗ったあとに菌が増える時間をこちらが与えてしまっている状態です。
原因は二つあって、順番があります。先にパイルの根元に菌が残り、次に重ねた保管がその湿気を閉じ込めます。どちらか片方を直しても、もう片方が残っていれば臭いは戻ってきます。
重ね方に問題があるときは、洗い直しても同じ位置の一枚だけがまた臭います。かごの底、棚のいちばん下、洗濯ネットに入れたまま丸めてある、といったところでよく起きます。どの一枚が臭うかを覚えておくと、置き方のどこが悪いかが見えてきますよ。
見た目は乾いていても、パイルの根元はまだ湿っていることがあります。手で厚みをつまんでみて、ひんやりするならまだ畳む段階ではありません。もう少し風に当ててから重ねてください。
5時間以内に乾かす方法
干し方の工夫は、すべて「5時間」を切るための時間短縮です。パナソニックは、早く乾かすには温度・湿度・空気の流れの3つが要り、湿度は50%以下が目安だとしています。
ポイントは風です。湿気は衣類の周りにたまるので、扇風機やサーキュレーターの風を衣類に直接当てると早く乾きます。干す場所は、部屋の中央か、ドアと窓や換気扇を結ぶ空気の通り道にします。窓際や壁際は空気が滞りやすく、乾くのに時間がかかります。花王の案内では、洗濯物どうしはこぶし1個分以上の間隔を空け、パーカーは裾を上にして逆さに干し、バスタオルはピンチハンガーの端から端へじゃばらのようにジグザグに干します。どれも風の通り道を作る工夫です。除湿機やエアコンの除湿を足せば、さらに乾きやすくなります。
外干しでしっかり乾かしていても、取り込んだ直後にかごへ突っ込めばタオルは臭います。干す場所の問題というより、重ねて湿気を閉じ込める問題です。かごに入れるなら重ねず、一枚ずつハンガーかバーにかけておくのが理想です。
ついてしまった臭いのリセット
すでに臭う衣類は、乾かし方では戻りません。菌ごと減らします。
- 酸素系漂白剤を溶かしたぬるま湯に漬ける 花王は、約40℃のぬるま湯に粉末の酸素系漂白剤を溶かして30分ほどつけ置きし、そのあと洗濯機でふだんどおり洗う方法を案内しています。手順と分量はオキシ漬けのやり方も見てください
- 温水で洗う パナソニックは、体温程度の温水で洗うと皮脂が溶けやすくなるとして、洗濯機の温水機能を挙げています。洗濯表示で水温の上限を確かめてから使ってください
- すすぎを増やす パナソニックは、すすぎの回数を増やすことも対策に挙げています
タオルのつけ置きから畳むまでの手順
メーカーごとに案内が少しずつ違うので、先に並べておきます。
生乾き臭の対策、メーカー3社の案内の突き合わせ
| 項目 | パナソニック | 花王 | ライオン | あわBASEの結論 |
|---|---|---|---|---|
| 乾かす時間 | 水分が残ったまま5時間以上で臭いが出やすい | 時間の数字はなし。早く乾かす | 時間の数字はなし | 5時間以内を目安にする |
| 干す場所・風 | 湿度50%以下、窓・換気扇・扇風機で空気を回す | 部屋の中央か空気の通り道。窓際・壁際は避ける。風を直接当てる | 部屋の中央に干し、扇風機や除湿機 | 部屋の中央に干して、風を直接当てる |
| ついた臭いのつけ置き | 酸素系漂白剤を使う(温度・時間の数字はなし) | 約40℃、粉末の酸素系漂白剤を水1Lに5g、30分ほど。2時間以上は浸さない | 40℃くらいのお湯に酵素入り洗剤を濃いめに、30分〜2時間程度。ふだんの洗濯では、柔軟剤と液体酸素系漂白剤を一緒に使うことも勧める | 漂白剤を使うなら花王の「30分ほど、2時間以内」。製品の表示があればそちらが先 |
| 使えない物 | 記載なし | 毛・絹には使えない | 記載なし | 毛・絹は漬けない。ほかは洗濯表示と漂白剤の表示で確かめる |
| 洗濯槽 | 槽のカビやフィルターを掃除する | 3か月に1回、洗たく槽用の洗浄剤で手入れ | 洗濯槽クリーナーで定期的に清潔に | 3か月に1回を目安に。使える洗浄剤は洗濯機の取扱説明書で確かめる |
つけ置きの時間は花王とライオンで違いますが、ライオンの30分〜2時間は酵素入り洗剤を溶かしたつけ置きです。粉末の酸素系漂白剤でつけ置きするときは、2時間以上は浸さないという花王の案内に合わせてください。
手順はこの順で進めます。
- 先に洗濯表示と漂白剤の表示で、漬けてよい物か確かめます。花王の案内では、毛・絹には使えません。金属の付属品がある物など、ほかに使えない物も製品の表示で確かめてください
- 酸素系漂白剤を、製品の表示どおりの量でぬるま湯に溶かします。製品の表示に従い、炊事用手袋などで手を守って作業します
- タオルを浸して、表示の時間だけ置きます。花王は2時間以上は浸さないよう案内しています
- つけ置きのあとは、洗濯機でふだんどおり洗います(花王)
- 干して、厚みをつまんでひんやりしないことを確かめてから畳みます
- かごに入れるなら重ねず、一枚ずつハンガーかバーにかけておきます
つけ置きしても数日で戻るなら、洗濯槽の汚れも疑ってみます。
それでも戻るなら洗濯槽を疑う
干し方を直し、漂白剤でリセットしても数週間で臭いが復活する。この場合、洗濯槽のカビも疑います。パナソニックは部屋干し臭の対策に洗濯槽のカビ対策を挙げ、花王は3か月に1回、ライオンも洗濯槽クリーナーで定期的に洗濯槽を清潔にするよう案内しています。
まずは市販の洗濯槽クリーナーで槽洗浄を。使える洗浄剤は洗濯機によって違い、パナソニックは槽洗浄に台所用の塩素系漂白剤や酸素系漂白剤を使わないよう案内しています。どのクリーナーを使えるかは、洗濯機の取扱説明書で確かめてください。手順は洗濯槽の掃除にまとめています。
ここから先は分岐です。槽洗浄を何度かやっても剥がれたカビ片(黒いワカメ状の破片)が出続けるなら、分解洗浄を業者に頼むことも考えます。また、毛布・ラグ・カーテンのような自宅で洗いにくい大物に臭いが染みついた場合は、宅配クリーニングに出す手もあります。
自分で戻らないときの判断
つけ置きと、乾いてから畳むことを2週間続けても、同じ一枚だけが臭うことがあります。その場合は、同じ手順を増やすより、その一枚を交換するのもひとつの手です。タオル一枚の値段と、毎週つけ置きする手間を比べてみてください。
大物がまとめて湿っている、槽を掃除しても臭いが止まらない、というときは、宅配クリーニングも選択肢になります。出すかどうかは、枚数と乾かせる時間で見てください。
もう一つ、手順より先に効く家もあります。家族の分まで同じかごに入れる習慣を、誰がいつ変えるのか。ライオンは、着たあとの衣類は通気性のよいかごに入れておくよう案内しています。置く場所を一か所増やすのも手です。
靴の内側に残る菌とも、対象が違います。靴のほうは靴の臭いで扱っています。
よくある質問
- 生乾き臭の主な原因はモラクセラ菌。水分が残ったまま5時間以上たつと臭いが出やすい
- タオルが臭うのは、パイルの根元に菌のかたまりが残り、重ねた保管が湿気を閉じ込めるから
- 部屋の中央に干して扇風機の風を直接当てる。干し方の工夫はすべて時間短縮のため
- ついた臭いは約40℃のぬるま湯と酸素系漂白剤で30分ほど(2時間以内)のつけ置き。毛・絹には使わない。ひんやりしないか確かめてから畳む
- それでも戻るなら洗濯槽も疑う。使える槽洗浄剤は取扱説明書で確かめる
- 2週間続けても同じ一枚だけが臭うなら、交換も考える



