掃除全般

重曹・クエン酸・セスキ、結局どう使い分ける?

本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。

重曹もクエン酸もセスキも持っているけれど、どれをどこに使えばいいのか分からない——そんな人は多いはず。この3つは、汚れの性質と反対の性質で中和して落とすのが基本の仕組みです。性質を押さえておけば、使い分けの目安がつかめます。ただし、家電や住宅設備はメーカーごとに使える洗剤が決まっていることがあるため、汚れの種類だけでなく素材の確認も欠かせません。

先に結論
  • 汚れには「酸性」と「アルカリ性」があり、反対の性質の洗剤で中和して落とすのが基本
  • 油汚れ・手あか=酸性汚れ → アルカリ性のセスキ
  • 鍋の焦げは重曹で煮てこする・茶渋は重曹ペーストで磨く(アルミ鍋は不可)
  • 水あか=アルカリ性汚れ → 酸性のクエン酸
  • 家電や住宅設備には使えない場所もあるため、メーカーの案内も確かめる

汚れを見て「これは油っぽい(酸性)からアルカリ性のセスキ」「これは水まわりの白い固まり(アルカリ性)だから酸性のクエン酸」と目安をつけるのが基本です。ただし、家電や住宅設備によっては素材を傷める洗剤もあるので、汚れの性質だけで決めず、メーカーの案内も確かめて使いましょう。

3つの違いをひと目で

重曹・セスキ・クエン酸の役割分担は、性質と得意な汚れで決まります。

性質特徴得意な汚れ
重曹弱アルカリ性(pH8.4)研磨力と消臭効果がある焦げ・茶渋・消臭
セスキ重曹より強いアルカリ性(pH9.8)水に溶けやすくスプレー向き油汚れ・手あか
クエン酸酸性(pH2.3)アルカリ性の汚れを分解する水あか

pH の数字と得意な汚れは第一石鹸の案内によるものです。

重曹とセスキはどちらもアルカリ性ですが、鍋の焦げを煮て落としたり茶渋を磨いたりするなら重曹、油汚れや手あかをサッと吹いて拭くならセスキと覚えると使い分けがラクです。

場所別の早見表

汚れの種類が分かれば、使うものの見当はつきます。ただし、家電や住宅設備は、メーカーが使える洗剤を決めていることがあります。場所ごとの注意も並べておきます。

場所・汚れ使うものメーカーの案内で気をつけること
キッチンの壁などの油汚れセスキレンジフードやコンロは、重曹・アルカリ性の洗剤を使わないよう案内している機種がある。先に取扱説明書を見る(換気扇の油汚れ・ガスコンロ)
コンロの五徳の焦げ五徳の素材で変わる重曹水を認めているのはステンレスの五徳など一部。ホーローなどは台所用中性洗剤(ガスコンロ)
電子レンジの庫内水拭き(汚れには薄めた中性洗剤)日立は重曹・クエン酸を名指しで使わないよう案内し、東芝は中性以外の洗剤を使わないよう案内している。塗装はがれや変色、さびの原因になる(電子レンジ掃除)
冷蔵庫の庫内薄めた台所用中性洗剤日立は重曹・クエン酸やアルコールなど中性以外の洗剤、パナソニックもアルコールや中性以外の洗剤を使わないよう案内している。ドアやプラスチックが傷ついたり変色したりする(冷蔵庫掃除)
蛇口(水栓)の水あか浴室用中性洗剤TOTO や KVK は水栓に酸性の洗剤を使わないよう案内している。表面の変色や樹脂部品の破損のおそれがある(洗面台掃除)
洗面ボウルの水あか・汚れ浴室用中性洗剤LIXIL は酸性・アルカリ性・塩素系の洗剤を使わないよう案内している。表面の変色やシミ、金属部のさびの原因になる(洗面台掃除)
トイレの黄ばみまず中性洗剤の湿布(残れば市販の尿石除去剤)LIXIL はまず中性洗剤(弱酸性も可)のトイレットペーパー湿布法を案内している。残る尿石に酸性洗剤を使うときは便器の陶器部分だけに使い、便座・便フタを開けて十分に換気する。続けて使うと気化したガスで温水洗浄便座(シャワートイレ)の内部の部品が故障する原因になる(トイレ掃除)
浴室の床の汚れまず浴室用中性洗剤LIXIL はユニットバスの床に酸性洗剤や塩素系のアルカリ性洗剤を使わないよう案内している(浴室用の弱酸性洗剤は可)。変色や素材劣化の原因になる(お風呂の床掃除)
お風呂の湯あかまず浴室用中性洗剤浴室の床に酸性の洗剤を使わないよう案内しているメーカーがある。浴槽や床の素材は取扱説明書で確かめる
窓のアルミサッシ水拭き(ひどい汚れは薄めた中性洗剤)LIXIL や日本サッシ協会は、アルミ部分に酸性・アルカリ性の薬品を使わないよう案内している。金属の腐食や塗膜はがれの原因になる(窓・サッシ掃除)
フローリングの皮脂・手あかから拭き(汚れには薄めた中性洗剤)パナソニックは酸性・アルカリ性の洗剤、大建工業は強アルカリ性のクリーナーを使わないよう案内している。床材が変色するおそれがある(フローリング掃除)
ゴミ箱のにおい重曹第一石鹸は、ゴミ箱に重曹の粉をそのまま振りかけると嫌なにおいが立ちにくくなるとしている(排水口・パイプのにおいには過炭酸ナトリウムを案内)

お風呂は汚れが2種類混ざるのが厄介なところ。まずは浴室用中性洗剤で洗い、重曹やクエン酸を使うときは浴槽や床の取扱説明書で使えるかを確かめます。水まわりの白い汚れの落とし方は水あかの詳しい落とし方でくわしく解説しています。

使い方の基本

作り方さえ覚えれば、あとは汚れに合わせて使うだけです。

重曹ペースト(茶渋・くもり取り)と鍋の焦げ落とし

木曽路物産は重曹3に水1、第一石鹸は水1に重曹2〜3の割合で混ぜるよう案内しています。できたペーストをこすりつけて、茶渋やコップのくもりを磨き落とします。

なお、第一石鹸は鍋の焦げつきの手順として、ペーストではなく煮る方法を案内しています。水1Lに重曹を大さじ4杯加えてしばらく煮たあと、そのまま冷まし、水を捨ててからタワシでこすり落とします。アルミの鍋は変色することがあるため使わないよう注意してください。

重曹水

木曽路物産の案内では、水500mlに重曹大さじ2を溶かしてスプレーボトルへ入れます。1週間ほどで使い切ってください。

セスキスプレー(皮脂・手あか)

第一石鹸の案内では、水500mlにセスキ小さじ1を溶かします。ドアノブやスイッチについた手あかなど、日常の拭き掃除に向いています。壁のスイッチまわりやドアノブを拭くときは、セスキ液を布に含ませてから拭き取ってください。なお、第一石鹸はシャツの襟や袖の皮脂汚れには水500mlに大さじ1の濃いめのスプレーを案内しています(しつこい油汚れには濃度を濃くするのも効果的としています)。フローリングに使うと床材が変色することがあるため、パナソニックの注意のとおり避けましょう。

クエン酸スプレー(水あか)

第一石鹸の案内では水200mlにクエン酸小さじ1、木曽路物産は水400mlに小さじ1を溶かします。水あかのような白い汚れを落とすのに使いますが、吹きかける場所には注意が必要です。蛇口(水栓)は TOTO や KVK が酸性の洗剤を使わないよう案内しているほか、LIXIL は洗面ボウルやユニットバスの床に酸性洗剤を使わないよう案内しています(浴室用の弱酸性洗剤を除く)。アルミサッシも、LIXIL や日本サッシ協会が酸性の薬品を使わないよう案内しています。素材を傷めたり腐食させたりする原因になるため、こうした場所には吹きかけず、各設備の取扱説明書や洗面台掃除・お風呂の床掃除・窓・サッシ掃除の手順に従ってお手入れしてください。

クエン酸湿布(結晶化した水あか)

スプレーで落ちない結晶化した水あかには、第一石鹸はクエン酸水をペーパー等に染み込ませて湿布し、しばらく置いて汚れを浮かせ、スポンジでこすり取ってから水洗いするよう案内しています。ただし、水あかが付きやすい蛇口(水栓)は TOTO や KVK、洗面ボウルや浴室の床は LIXIL、窓のアルミサッシは LIXIL や日本サッシ協会が酸性の洗剤や薬品を避けるよう案内しています。こうした場所に湿布すると素材の変色や腐食の原因になるため、使わないでください。水まわりのシンクなどで行う場合も、設備の取扱説明書で酸性が使える素材かを確認し、使用後はしっかり洗い流しましょう。なお、トイレの黄ばみ(尿石)にもクエン酸は使わず、LIXIL の案内どおりまず中性洗剤(弱酸性も可)のトイレットペーパー湿布を試し、それでも残る尿石には市販の尿石除去剤(酸性)を陶器部分に限って使います。酸性の洗剤を使うときは、便座と便フタを開けて十分に換気し、続けて使わないようにしてください。LIXIL は、気化したガスで温水洗浄便座(シャワートイレ)の内部の部品が故障する原因になるとしています。詳しい手順はトイレ掃除でまとめています。

換気扇の部品は、メーカーが重曹やアルカリ性の洗剤を使わないよう案内していることがあるよ。台所用中性洗剤でのつけ置きは換気扇のつけ置き掃除が参考になる!

絶対にやってはいけない注意

便利な3つですが、使い方を間違えると危険だったり、効果が消えたりします。

注意
クエン酸(酸性)と塩素系漂白剤を混ぜると有毒ガスが発生します。国民生活センターには、浴室で塩素系洗浄剤とクエン酸を同時に使い、1時間後に吐いて救急車を呼んだという事故が寄せられています。「まぜるな危険」の表示がある洗剤とクエン酸は別々に。塩素系は単独で使い、換気を十分にして保護具を着けてください。排水口に残ることがあるので、使ったあとは水を十分に流し、ほかの洗剤を続けて使うのは避けてください。

重曹とクエン酸を同時に混ぜると中和してしまい、洗浄力が落ちます。「アルカリ+酸でパワーアップ」ではありません。第一石鹸も、クエン酸に重曹やセスキを混ぜるとお互いの洗浄効果を打ち消し合うので、それぞれ単独で使うよう案内しています。

注意
第一石鹸は、クエン酸をアルミ製品、銅製品やニス塗りなど表面加工のある食器や調理器具、大理石、白木、鉄製品、水洗いできないものには使わないよう案内しています。重曹などもアルミの鍋は変色することがあるとして、使わないよう案内しています。

手荒れしやすい人や長時間掃除するときは、炊事用手袋を使うよう第一石鹸は案内しています。

あわBASEのまとめ

メーカー2社の作り方と、混ぜてはいけない組み合わせ

作るもの第一石鹸木曽路物産どちらに従うか
重曹ペースト水1に重曹2〜3重曹3に水1固めに練るなら重曹3:水1。どちらでも同じ範囲
重曹水—水500mlに大さじ2。1週間ほどで使い切る木曽路物産の分量
セスキスプレー水500mlに小さじ1、または大さじ1—日常の拭き掃除なら小さじ1、衣類の皮脂汚れなら大さじ1(第一石鹸)
クエン酸スプレー水200mlに小さじ1水400mlに小さじ1。1週間以内に使い切るどちらの分量で作ってもよい。木曽路物産の液は1週間以内に使い切る
混ぜる組み合わせ何が起きるか出どころ
クエン酸+塩素系漂白剤・洗浄剤塩素ガスが出る。おう吐や頭痛の事故がある国民生活センター
塩素系+エタノール塩素ガスが出る国民生活センター
クエン酸+重曹・セスキお互いの洗浄効果を打ち消し合う第一石鹸

クエン酸スプレーの分量は2社で案内が異なり、第一石鹸は水200mlに小さじ1、木曽路物産は水400mlに小さじ1としています。第一石鹸は、混ぜずにそれぞれ単独で使うよう案内しています。

よくある質問

Q重曹とセスキはどっちを使えばいい?
A
どちらもアルカリ性ですが、得意な汚れと使い方が違います。第一石鹸の案内では、鍋の焦げを煮て落としたり、茶渋をペーストで磨いたりするなら重曹です(アルミの鍋には使えません)。油汚れや手あかをスプレーでサッと拭くならセスキが向いています。
Q重曹とクエン酸は混ぜてもいい?
A
汚れ落としを目的に混ぜるのはおすすめしません。アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を混ぜると中和して、どちらの洗浄力も弱まってしまいます。アルカリ性の重曹やセスキと、酸性のクエン酸は、混ぜずにそれぞれ単独で使ってください。
Qクエン酸が使えない場所は?
A
第一石鹸は、アルミ製品、銅製品やニス塗りなど表面加工のある食器や調理器具、大理石、白木、鉄製品、水洗いできないものには使わないよう案内しています。蛇口(水栓)のほか、洗面ボウルや浴室の床、アルミサッシにも、酸性の洗剤や薬品を使わないよう案内しているメーカーがあります。また、塩素系の製品と混ざると有毒なガスが出るので、ほかの洗剤と併用しないでください。
Q100均の重曹・クエン酸でも効果ある?
A
日常の掃除なら100均のものでも使えます。商品には「食用」「掃除用」などの区分があるので、パッケージの用途の表示を見て、口に入る可能性がある場所には食用を選んでください。
まとめ
  • 汚れと反対の性質で中和するのが基本。油汚れや手あかにはアルカリ性のセスキ、水あかには酸性のクエン酸。鍋の焦げは重曹で煮て落とし、茶渋は重曹ペーストで磨く(アルミの鍋には重曹を使わない)
  • トイレの黄ばみはまず中性洗剤の湿布から。残る尿石には市販の尿石除去剤(酸性)を使い、便座・便フタを開けて換気する。酸性洗剤は陶器部分だけに使い、続けて使わない
  • クエン酸と塩素系漂白剤は絶対に混ぜない(有毒ガス)。塩素系は単独で使い換気する。重曹とクエン酸の同時使いは中和で洗浄効果を打ち消し合う
  • クエン酸はアルミ・銅・大理石・白木・鉄・水洗いできないものに使わない
  • 電子レンジの庫内(日立は重曹・クエン酸、東芝は中性以外の洗剤を使わない)、冷蔵庫の庫内(日立・パナソニックは中性以外の洗剤を使わない)、洗面ボウル(LIXIL は酸性・アルカリ性を使わない)、浴室の床(LIXIL は酸性洗剤を使わない、弱酸性は可)、アルミサッシ(LIXIL・日本サッシ協会は酸性・アルカリ性を使わない)、フローリング(パナソニックは酸性・アルカリ性、大建工業は強アルカリ性を使わない)など、メーカーごとの注意を守る
  • 場所別の洗剤の使い分けや早見表は洗剤の選び方・早見表で確認できます
参考にした公式情報(4件)
  1. 第一石鹸 重曹・セスキ炭酸ソーダ・クエン酸・過炭酸ナトリウムの使い方
  2. 第一石鹸 クエン酸の使い方12パターン-クエン酸の特徴
  3. 木曽路物産 重曹とクエン酸の基本的な使い方
  4. 国民生活センター 住宅用塩素系洗浄剤の使い方-まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています-(2026年3月18日)