重曹風呂と、お風呂の重曹掃除は別の話
湯船のお湯を抜いたあと、水位のところに白っぽい線がぐるっと残っていて、スポンジでこすってもなかなか消えない。そこで「重曹 風呂」と検索すると、湯船に重曹を入れて浸かる話ばかり出てきますよね。あれは重曹風呂という入浴法で、浴槽を掃除する話ではありません。湯に溶かして浸かっても、水位の線はほとんど動きません。
もう一つ、「重曹はお風呂の汚れなら何でも落とす」という通説も、半分しか合っていません。弱アルカリ性の重曹が中和できるのは、皮脂や湯あかのような酸性寄りの汚れまでです。水道のミネラルが固まった水あかは、同じ白でも性質が逆なので、重曹をいくら置いても落ちません。ここから先は浴槽の線に絞って、重曹が効く汚れと効かない汚れを手触りで分けていきます。
重曹風呂と、お風呂の重曹掃除は同じですか
同じではありません。入れる場所も目的も濃度も違います。入浴用は湯に溶かして体に触れさせるもので、掃除用は浴槽の壁にペーストを塗ってこすり、流すものです。
取り違えたまま毎日湯船に入れ続けると、掃除した気になったまま線だけが残ります。残った線を見て「重曹は効かない」と袋ごとしまい込む人もいますが、効かないのではなく、入浴と掃除が別の作業だという前提が抜けているのです。
重曹・クエン酸・セスキをどの汚れに使うかという全体の地図は、重曹とクエン酸の使い分けにまとめてあります。ここでは、浴槽の水位の線に話を絞ります。
浴槽の皮脂の線に、重曹は効きますか
効きます。水位に沿って残る線は、皮脂と湯あかが乾いて固まったものが多く、酸性寄りです。弱アルカリの重曹で中和できるので、ここは重曹の出番です。
見分け方は手触りです。指でなでてぬるっとする、薄いベージュ色が乗っている、という線なら皮脂側です。重曹のペーストを線の上に置いてしばらく待つと、線がにじむように取れてきます。
毎日のお湯を流すだけだと、皮脂は薄い膜になって残ります。浴槽全体を毎回磨き続けるより、週に一度、線の上だけにペーストを塗るほうが早く済みますよ。
- 水位の線 皮脂と湯あか。重曹ペーストが向きます
- 床の黒ずみ 皮脂の積み重なりですが、床は素材も道具も変わります。お風呂の床の黒ずみで別に書いています
- ゴムパッキンの黒 こちらはカビで、重曹の仕事ではありません。お風呂の黒カビへどうぞ
水あかの白いザラつきにも使えますか
使えません。水あかは水道水に含まれるミネラルが固まったもので、アルカリ性です。アルカリの重曹を足しても中和は起きず、白いザラつきはそのまま残ります。
指でこすると粉っぽいものが乗る、蛇口まわりのウロコと同じ手触りがする、という線なら水あか側です。こちらは酸性のクエン酸の仕事になるので、手順は水あかの落とし方に分けてあります。
「白いから重曹」と決めているなら、色で選んでいることになります。色が同じでも、ぬるぬるなら皮脂、ザラザラなら水あか。手触りで分けるほうが外れません。
重曹ペーストはどう塗って、どのくらい置きますか
粉のまま壁に振りかけても、そのまま下に落ちてしまいます。水を少しずつ足してヨーグルトくらいの固さにしてから、線の上に乗せてください。
- 浴槽のお湯を抜き、壁を軽くぬらしておく
- 重曹に水を加えて、たれない程度のペーストにする
- 水位の線に沿って塗り、30分ほど置く
- 柔らかいスポンジで一方向にこすり、水で流す
- ザラつきが残ったら、重曹を足さずにクエン酸側へ切り替える
置く時間を何時間にも延ばす必要はありません。皮脂側の線は、だいたい30分で動き始めます。長く放っておくと乾いて粉が舞うだけになりやすいので、様子を見て流してしまいましょう。
アルミの面や、毎日の入浴剤と一緒でも大丈夫ですか
アルミは避けてください。浴槽のふたや小物にアルミ製のものがあると、重曹は弱アルカリでも表面を曇らせたり変色させたりすることがあります。メーカーの表示でアルミと書いてある面には塗らないのが無難です。ステンレスやホーロー、一般的な樹脂の浴槽なら、重曹ペーストは使いやすい部類です。素材がはっきりしないときは、目立たない隅に10分だけ置いて、変化がないのを見てから線全体へ広げてください。
毎日入れる入浴剤と、掃除用の重曹も混ぜないほうがいいです。入浴剤の成分によっては重曹と反応して、期待した中和が起きないことがあります。掃除をする日は、入浴剤を入れる前に線を落として流し、それからお湯を張る、という順番にしておくと迷いません。
自分で終わらない汚れは、どこで見分けますか
線が黄ばんで厚みを持ち、ペーストを2回置いても輪郭が残るようなら、皮脂の膜がかなり深くまで固まっている状態です。ユニットバスの継ぎ目が黒くなっていて、重曹で色が戻らない場合はカビ側なので、そもそも重曹の範囲ではありません。
自分で続けていけるのは、水位の線に週1回ペーストを置くところまでです。床全体の黒ずみ、天井、パッキンの奥になると、使う道具も作業の姿勢も変わってきます。
まだ答えが出ていないのは、水あかと皮脂が同じ線の上に重なっている週を、どう切り分けるかです。手触りだけでは迷うこともあるので、そういうときは重曹を足す前にクエン酸を先に試す、と順番を一度入れ替えてみてください。それでも線が動かないなら、浴槽だけでなく浴室全体をまとめて浴室クリーニングに出す段階です。
- 重曹風呂は入浴法で、浴槽の掃除とは別の作業
- 水位に残る皮脂の線には、重曹ペーストを塗って30分置く
- 水あかの白いザラつきはアルカリ性なので、重曹では落ちない。クエン酸の仕事
- アルミの面には塗らない。入浴剤とは混ぜず、掃除してからお湯を張る
- 厚みのある黄ばみ、床全体の黒ずみ、パッキンの黒は自分で終わる範囲を超える
注意