帰宅した瞬間、キッチンから例のニオイ
仕事から帰って玄関を開けた瞬間、キッチンの方からあのニオイが漂ってくる。朝出るときは何ともなかったのに、夏は一日でこうなりますよね。生ゴミの臭いは菌が水分と栄養を使って増えるときに出るもので、パナソニックの案内では、水分が多いと臭いが強くなり、細菌は30〜40℃で最も増えやすいとされています。気温の高い夏は、同じ捨て方をしていても臭いやすくなるのです。
仕組みが「菌×水分×温度」だと分かれば、対策はこの3つのどれかを断つ話に整理できます。よくある疑問に順に答えます。
今ある臭いはどうやって消す?
発生源ごと捨てるのが最速です。三角コーナーや排水口のゴミ受けにたまった生ゴミを袋に密封して処分し、ぬめりをスポンジで落とし、水で流します。消臭スプレーを空間にまいても、発生源が残っていれば臭いは戻ってきます。腐敗臭がもう出ている生ゴミには、重曹をふりかけるやり方をパナソニックが紹介しています。臭いを消すのではなく、臭いを作っている菌のかたまりを取り除く、と考えてください。
臭わせない一番の方法は?
生ゴミ冷凍です。生ゴミの水気を切って新聞紙やチラシで包み、袋に入れて冷凍庫へ。収集日の朝に出します。パナソニックによると、多くの細菌は冷凍庫の温度(-15℃以下)では増えられないので、腐敗を遅らせられます。パナソニックは、ファスナー付きの密閉袋に入れて、ほかの食品とは分けておくよう勧めています。船橋市は、魚の内臓のような腐りやすい生ゴミに特に効くとしています。
「ゴミを冷凍庫に入れるのは抵抗がある」という感覚は当然あると思います。ただ、出た直後の生ゴミは腐敗前の食材の切れ端で、臭って困るあの状態は常温でしばらく置いたあとの姿です。冷凍するのは前者です。それでも気になるなら、冷凍庫の隅に「生ゴミ専用」のタッパーを一つ決めて、袋ごとそこに入れる運用にすると心理的な線引きができます。
冷凍以外でできることは?
冷凍庫の容量に余裕がない日や、冷凍までは踏み切れない場合は、菌と水分の側を削ります。
- 水分を切ってから捨てる。富士宮市によると生ゴミの7〜8割は水分で、臭いや腐敗の原因は水分です。ギュッと一絞りしてから捨てましょう
- 新聞紙やチラシで包んでから袋へ。紙が水分を吸ってくれます
- 三角コーナーをやめる。シンクの中でぬれたまま置くと腐敗が進みます。船橋市は、三角コーナーの代わりに、底に穴の開いた市販の水切りごみ袋を使う方法を紹介しています
- 肉や魚のトレイ、納豆のパックは洗って乾かしてから捨てる
- ゴミ箱はフタ付きの密閉型にして、袋の口はそのつど縛る
- 排水口のゴミ受けもこまめに空にする。ここも「見えない三角コーナー」です
放置するとどうなる?
臭いだけでは済みません。生ゴミの臭いは、コバエを呼び寄せます。ショウジョウバエは生ゴミや熟した果物に寄ってきて、卵から8〜9日ほど(卵1日、幼虫の時期が計4日、さなぎ3〜4日)で成虫になります。湧いてからの駆除の手順はコバエの発生源の特定と全滅にまとめていますが、読めば分かるとおり、湧いたあとの対処は発生源の特定から始まってそれなりの手間です。夏にゴキブリを1匹見かけたときの動き方はゴキブリを1匹見つけた夜にやることに書きました。生ゴミ対策はキッチンの消臭であると同時に、コバエの予防でもあります。
見落としやすいところは?
一つは、ゴミ箱の袋だけ替えて本体を洗わないことです。袋の外に汁が漏れていると、ゴミ箱の底が臭いのもとになり、「袋を替えたのに臭う」ことがあります。ときどきゴミ箱本体を丸洗いして、よく乾かしてください。もう一つが排水口ネットの替え忘れで、ネットに残った少しの生ゴミが臭いのもとになります。対策をどれだけ足すかより、「生ゴミを常温で夜越しさせない」という一線を毎日守れるかのほうが、夏のキッチンの臭いを決めます。
生ゴミの臭い対策、3つの案内を並べると
| 対策 | パナソニック | 船橋市 | 富士宮市 | どう使い分けるか |
|---|---|---|---|---|
| 水切り | 水分が多いと菌やカビが増え、臭いも強くなる | 水切りを徹底。水切りごみ袋も使える | 7〜8割が水分。臭いや腐敗の原因は水分 | 3つとも勧めている。毎回まず絞る |
| 新聞紙で包む | 水気を吸い、インクの臭いで不快さを和らげる | 新聞紙の上で乾かす。冷凍のときも包む | 新聞紙や布の上で乾かす | 包むか、乾かしてから捨てる |
| 冷凍 | 収集日まで日があるときや長く家を空けるとき。腐敗を遅らせる | 魚の内臓など腐りやすい物に特に効く | ― | 毎日でなくてよい。魚の内臓や、収集日まで間があるときに使う |
| 重曹 | 腐敗臭が出てしまったときにふりかける | 直接ふりかけて水分を吸わせる | ― | 臭いが出てからの手当て。水切りの代わりにはしない |
| 温度 | 細菌は30〜40℃で最も増えやすい | 腐敗は高い気温で進む | ― | 夏は常温で置く時間を短くする |
- 夏の生ゴミ臭は菌×水分×温度。細菌は30〜40℃で最も増えやすい
- 強い対策は生ゴミ冷凍。多くの細菌は冷凍庫の温度で増えられず、腐敗を遅らせられる
- 冷凍しない日は、水切り・紙で包む・三角コーナー廃止で菌と水分を削る
- 臭いはコバエを呼ぶ。臭い対策=コバエの予防と考えて、常温の夜越しをさせない
参考にした公式情報(4件)
- パナソニック 生ごみの捨て方!捨てる際の注意点や腐敗と生ごみ臭の防ぎ方も紹介(UP LIFE)
- 船橋市 生ごみの臭い対策について
- 富士宮市 生ごみの水切りによるごみの減量化
- 環境コントロールセンター キイロショウジョウバエ